2001年12月31日(月) |
シルクロードの旅の途中、僕はずっと何かまとまったものを書けるのだろうかと考えていた。僕はまだ何も書いたこともなかったし、書いているのはせいぜいダイアリくらいのものだった。鍵穴があってそこに合うような鍵を作ってみますと言ったものの、まず鍵自体を作れるかどうかに漠然とした不安があった。鍵が鍵穴に合うかはその次の問題だった。旅を3ヶ月も続けたとき、そろそろ僕は鍵をつくるために帰国しなければという思いが少しずつ強くなっていた。
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2001年12月30日(日) |
『早朝の風の音に』
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2001年12月29日(土) |
ナオさんのダイアリに見習って今年見た映画5選(含ビデオ)
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2001年12月28日(金) |
まずみじん切りにした玉ねぎとにんにくを炒め、そこに油をきったツナ缶と筋をしっかり取ったスナックエンドウを入れて更に炒める。大鍋でアルデンテまで茹でたスパゲッティーをそこに加え、ひとかけらバターを上から落として、溶けたところで皿に盛る。・・・これはレシピメモだ。
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2001年12月27日(木) |
5年前の春、僕は卒論をどうにか提出した。悔しいことにそれには屑程度の価値もなかった。修士論文は何が何でもいいものを書きたいという思いを強くさせるものだった。
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2001年12月26日(水) |
人に必要とされていると感じることは大事なことだと思います。旅先で知らない街をひとりで歩いていたときそんなこと考えました。 |
2001年12月25日(火) |
下北沢でエドワード・ヤン監督の「ヤンヤン夏の想い出」見てくる。席はガラガラというか僕とRの二人しかいない。ホームシアターみたいな感じだったが、こんなんで経営は大丈夫なのかしら。映画のほうは映像はいいものがあったが、なんか全体の統一感がとれていない感じがした。この監督は先に映像が浮かんでそれをつないでいくような人なのだと思った。
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2001年12月24日(月) |
『リセットボタン、あるいは砂の城について』
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2001年12月23日(日) |
夕刻、彼女が夕陽を見に行こうと言い出して、マフラーを首にくるくる巻いて、コートのポケットに手を突っ込んで外に出た。公園の雑木林を歩くと枯葉が乾いた音を立てた。カサカサという寂しい音を。台地へ上ると、ちょうど太陽が西の空を赤く染めて落ちていくところだった。
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2001年12月22日(土) |
『喪失序奏』
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2001年12月21日(金) |
昨夜寝る前にメールでザクロさんが教えてくれたサイトで性格診断テストなるものをやってみた。
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2001年12月20日(木) |
S君から借りた丸谷才一の「文章読本」を読んでいるのだけど、どうも面白くない。丸谷氏が力説するには古典の名文に当たれということなのだが、これが書かれた当時は兎も角、今では時代遅れじゃないかなと思ってしまう、少なくともそれが絶対条件ではないはず。そしてこの本自体が窮屈で面白くないのに、その人の言うことを聞いて果たして面白い文章が書けるものなのかと疑問に思ってしまった。大体、丸谷才一ってそんな立派な文章家なのかどうか僕は知らない。
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2001年12月19日(水) |
堀江敏幸の「いつか王子駅で」を読了。非常に洗練された文章が素晴らしい。そしてこの人は決して普遍的な物事の価値観に迷わされることなく、本当に価値のあるものを知っているのだと思う。淡々とした生活の中で交わる人々や出来事を綴ったエッセイの延長線的な小説なのだが、自然に書いているようでまとめるところはまとめてくるし、人の心に訴えるものをもっている。
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2001年12月18日(火) |
『焦燥の形』
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2001年12月17日(月) |
平野啓一郎の「日蝕」を読了。実は以前読もうとしながら、その難解さから途中で敗退したのだが、今回は意外なことにすらすらと読めた。15世紀のフランスを舞台にある修道士が遭遇する異端審問(魔女狩り)についての話である。終盤、魔女狩りに話が転ずるあたりから空想物の小説に急変していく。そこがこの小説の山場である一方で、思想を追求していく宗教の徒の話としてはかなり逸脱してしまっている感がある。この人の小説は古きを尋ねようとしている一方で、実は現代の小説の特徴(虚構の世界を重んじる点)をかなり具有しているのではないかと思った次第。それがなぜか僕には残念に思えてしまった。 |
2001年12月16日(日) |
S君、Zさん、A君、Kさん、彼女、そして僕の6人でgood-morningというメーリングリストをやっている。そのgood-morningの仲間と土曜日の晩にうちで鍋会を開いた。S君以外は泊まりこみで、お酒飲みながら、音楽聴いたり、話したりと何だか学生に戻った感があった。僕は久しぶりに学生時代に使っていた寝袋で眠った。
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2001年12月14日(金) |
日がな旅行記の文章打ってた。そのついでにフリーセルの腕も上がってしまった。フリーセルは兎も角、文章書いてるとあっという間に時間がたってしまう。書きたいものが他にいっぱいあるのにな。時間は無尽蔵ではないのだ。もう少し緊張感もって事にあたらねば。 |
2001年12月13日(木) |
Zさんと互いの文章鍛錬の場をつくろうということで動き出している。同じテーマで定期的に文章を書き、それに対して闊達な意見交換を行おうというものだ。それで今日は雨中わざわざZさんがうちにきてくれて、それの道場ともなるべきHPなどについて詰めていった。開設はクリスマスイブになる見込み。これからSimple is bestを旗印につくっていく予定。
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2001年12月12日(水) |
漱石の「虞美人草」を読了。その前に読んだ「三四郎」が平坦な戦場だとしたら、これは城攻めに近いくらい容易には読ませてもらえない。漱石の知が織り成す修辞表現が外堀のように取り囲んでいて、始めはなかなか前に進めない。ただ外堀の細かいところを気にせずに突っ切ってしまえば、小説のストーリー、主題として十分に面白いから一挙に本丸まで行けてしまう。タランティーノもフィッツジェラルドも驚く手際の良さでエンディングをまとめていく。最後に自己のエゴと打算だけで他人を弄ぼうとした人間に天罰が下り、道義の道が開かれる。それまで迷っていた人間がいとも簡単に考え方を翻すところや、天罰を下させること自体がエゴではないのか?など多少疑問は残るけれど、やはり読ませるし、考えさせる。現代ではこの小説の道義自体(恩師の娘を妻にしなければならないetc)がほとんど消えうせているため、逆にエゴの手綱を締めるべき大義がなくなっているようにも思える。それにしても漱石を超えるような作家は未来永劫現れないのではないかと思った。多分百年後にも同僚たちが忘れられていく中でも彼だけは本屋の棚の片隅に残り続ける違いない。 |
2001年12月11日(火) |
久しぶりに日本経済に貢献してみた。小泉首相も少しは笑顔を見せてくれるかもしれない。2年前に買ったsimplemの半額程度の値段。これもIT革命の一環なのかデフレのせいなのか知る由もないが兎に角、安いことはいいこと。…そう、ノートPCを買ったのだ。もう瞳孔をいつもの二倍くらいにして、ちょっと興奮気味。PCでこれなのだから家か車を買うようになったら卒倒するかもしれない。柔らかいキーボードタッチが心地いい。これで寒い台所の隅から脱出して、炎揺らめく達磨ストーブの近くで身も心も暖かく文章が打てるとてっきり思いこんでいた。しかし、ストーブが突然、そうつい十分ほど前に最後の灯油の炎を上げた後、完全に事切れてしまったのだ。札幌で大雪を降らせた寒気がこの部屋をその掌中に治めるのも時間の問題なのかもしれない。 |
2001年12月10日(月) |
著作権というものをそろそろ直視しようかと思ってる。自分のHPに書く文章を転用禁止としているのに、自分だけが人の音楽なり写真なりを無許可に使っているのはまずいだろうという話。どうせ小さなHPで商業的なものでもないからと理由をかこつけていたけれど、自分がやられて嫌なことはやるべきではないよね。ということで無音化して、更にTOPの写真も今年中には降板させようと思う。
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2001年12月9日(日) |
Kさんが仕事をしにやってきて気をきかせたつもりで渋谷をぶらりしてあちこち冷やかしていた。大好きなポール・オースターのインタビュー記事の載ってる本を立ち読み。この人、まるで彼の作中の主人公のように苦労を重ねてきている。買うかどうかかなり迷ってやめたのに、HMVで思わずJAZZの古いCDもってレジ並んでいるし・・・。
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2001年12月8日(土) |
S君がやってきてしゃぶしゃぶをつっついた。まるで旧友と会ったような懐かしさがある。満たされている喜び。 |
2001年12月7日(金) |
漱石門下に入りたくなるほど、「三四郎」にはまった。小説として人を楽しませる技法はもとより、知性から汲み出される理念のようなものを追求していけるところがすごいと思う。高校、大学で読んだはずなのだけど、同内容であるにも関わらず断然今回が面白かった。
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2001年12月6日(木) |
『フロフキ大根事件』
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2001年12月5日(水) |
『ネコガミ様』
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2001年12月4日(火) |
朝方は雨が少し降っていたようだ。いつものように身体を洗って湿っぽくなったバスタオルを窓の上に引っ掛けてある物干しにかけた。外の空気自体が湿っぽく、だいぶ冷ややかだったから到底これでは乾くまいとは思った。
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2001年12月3日(月) |
『命日』
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2001年12月2日(日) |
S君と渋谷から表参道を歩く。表参道の大坊珈琲店とそのそばのパン屋で休憩しつつ歩きつつ訥々と話した。
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2001年12月1日(土) |
今日は神楽坂で素晴らしい出会いがあった。A君とS君とKさんとZさんとそして僕の彼女で散歩して、珈琲飲んだり、蕎麦食べたり、飲んだり。僕は神様に感謝したくらいだった。
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